名庭園を散歩してみよう!~小田原・古稀庵~

柿生 亜実
2018.07.23

はじめに

総理大臣や陸軍大将をつとめた山縣有朋(やまがたありとも)は、庭園好きという一面も持っていました。
山縣有朋の別荘であった小田原にある古稀庵(こきあん)は、東京の本邸・椿山荘(ちんざんそう)、京都の別邸・無鄰菴(むりんあん)と共に、名庭園として知られています。

 

古稀庵の歴史

古稀庵は、明治40年(1907)、山縣有朋が古稀(70歳)の時に建てた別荘です。
現在は、あいおいニッセイ同和損害保険株式会社の小田原研修所になっているため、庭園部分だけ日曜日限定で公開されています。

もともとは、築地本願寺の設計で知られる伊東忠太が設計した洋館が敷地に建っていたのですが、明治天皇をまつった槇ヶ岡神社と共に、現在は栃木県矢板市にある山縣農場に移築されています。
主に貞子夫人が使っていた暁亭は、箱根湯本ホテルの施設(豆腐懐石専門店)として移築され、暁亭の茶室は、箱根の吉池旅館の中に移されました。

茅葺き屋根の山門は昭和59年(1984)に復元されたもので、山縣有朋直筆の額も飾られています。

 

古稀庵の庭について

古稀庵の庭は、椿山荘の庭も手掛けた岩本勝五郎が造園を行いました。等々力渓谷の日本庭園などが代表作の飯田十基もその弟子として参加しています。

この庭園を造るため、山縣有朋は私設の水道を敷きました。その当時は、まだ小田原には水道がなかったそう。
そのため、近所の益田孝(鈍翁)邸や閑院宮邸などにも、この水を飲料水として分けていました。

古稀庵は急な坂道を上った途中にあり、14.9メートルという高低差を活かし、3段の庭から構成されています。
相模湾と箱根山を借景とした回遊式庭園でしたが、現在はその眺めは見ることができません。

 

古稀庵の庭の特徴

山縣有朋は、訪問客と庭を巡る時、屋敷の前に広がる上段の庭から東側の坂を下り、中段の庭に向かいました。
その斜面には、洗頭瀑という滝があります。両側の石がせり出し、その間から水がほとばしり出る迫力のある滝で、山縣有朋はこの滝の流れを長時間飽きずに眺めていたこともあったのだとか。
他に、聴譚泉、浸み滝という滝も庭園内にあります。

古稀庵には小田原の御用邸から大正天皇が訪れたこともあったそうで、お客さんがたくさん訪れても大丈夫なように、全面に芝生が張られています。
そのため、日本庭園ですが、洋風な雰囲気も感じます。
また、水で潤っているため、苔などの緑が青々としているのが印象的でした。

古稀庵には約50種類の植物が植えられています。
中でも、山門の両脇などにそびえ立つモミの木は、古稀庵を象徴する木と言えるでしょう。
紅葉が美しいことでも知られ、平成27年(2015)には、椿山荘の椿と古稀庵のもみじの交換・植樹が行われました。
ホルトノキという、ちょっと変わった根っこの木も植えられています。

槇ヶ岡神社を下った場所では、かなり大きいお地蔵さん一体も見ることができますよ。

 

まとめ

わたしは7月のはじめ、朝早くに訪れたのですが、ほぼ貸し切り状態のため、マイペースで庭園見学することができました。
自然主義的庭園と呼ばれる古稀庵。庭園なのですが、ちょっとした山の中をハイキングしているような気分で、リフレッシュすることができました。
大阪からは離れていますが、小田原や箱根旅行の際にぜひ訪れてみてください。

 

古稀庵の詳細情報

住所:小田原市板橋827

開館時間:日曜日 10時〜16時

入園料:100円

アクセス:箱根登山線箱根板橋駅から徒歩7分

この記事を書いた人

柿生 亜実
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