名庭園を散歩してみよう!~平泉・毛越寺~

柿生 亜実
2018.10.12

はじめに

 

毛越寺(もうつうじ)は、2011年(平成23)、「平泉-仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群-」の構成要素の1つとして世界遺産に選ばれました。

毛越寺はお寺ではありますが、大きな池のある庭園が一番の見どころとなっています。

 

毛越寺の歴史

毛越寺は、慈覚大師円仁が850年(嘉祥3)に創建した天台宗のお寺です。平安京を鬼門の位置(北東)から守るため、中尊寺と同じ年に造られました。荒れていた時期もありましたが、奥州藤原氏の2代目・藤原基衡(もとひら)が伽藍などを7年かけて再興。3代目の秀衡(ひでひら)が完成させました。当時は、中尊寺よりも立派だったそう。

伽藍はその後の大火などで焼失しましたが、基衡の時代に造られた庭園は、かなり当時に近い状態で復元されています。

 

毛越寺庭園の特徴について

毛越寺の庭園は浄土庭園です。平安時代の終わりごろ、仏教が衰退するという末法思想が広がり、阿弥陀如来を信仰することで極楽浄土に行くことができるという浄土教が普及し始めます。

浄土庭園では手前に池(毛越寺の場合、大泉が池)を配置し、その先に阿弥陀堂を建て、此岸(この世)と彼岸(あの世)を表現しました。浄土教を熱心に信仰する貴族たちは、阿弥陀如来をまつる阿弥陀堂を次々に建てます。阿弥陀堂がある代表的なお寺は、中尊寺金色堂、平等院鳳凰堂、白水(しらみず)阿弥陀堂など。平等院鳳凰堂や奥州藤原氏に縁のある白水阿弥陀堂には、毛越寺庭園と同じように、今も浄土庭園が残されています。

毛越寺では、大泉が池の対岸に、阿弥陀堂ではなく、本尊の阿弥陀如来や摩多羅神(またらじん)をまつる常行堂を設置。常行堂は、「常行三昧(じょうぎょうざんまい)」という、念仏を唱えながら仏像の周囲を歩く修業が行われる場所です。摩多羅神が安置された奥殿は、33年に1回ご開帳されます。大泉が池には、かつては常行堂側に渡る橋が架かっていたそうです。

 大泉が池には、東南に海岸の砂浜を再現した州浜や海岸の岩場を表現した荒磯(ありそ)、島を表現した石組。南西に断崖を表現して造られた築山(つきやま)、北東に池に水を引き入れたとされる遣水(やりみず)があります。大泉が池の周囲は歩くことができるので、いろんな角度から庭園の景色を眺めるのもおすすめ。

わたしが約30年前の夏に毛越寺を訪れた時には、広々とした大泉が池に龍頭鷁首(りゅうとうげきす)が浮かんでいて、それが今でも強く印象に残っています。いつも浮かんでいるかは不明ですが、5月第4日曜日に開催される曲水の宴(ごくすいのえん)などのイベント時には見ることができるようです。

毛越寺の見どころ

遣水で開催される、平安時代の貴族が和歌を詠む姿を再現した曲水の宴。奥州藤原氏を偲ぶ春と秋の藤原まつり、1月20日の「二十日夜祭(はつかやさい)」で行われる延年の舞など、毛越寺では様々なイベントが開催されています。

6月下旬~7月上旬に開山堂前の花菖蒲園で開催されるあやめまつり、9月後半に行われる萩まつり、蓮、紅葉など、季節ごとに見られる花々も見どころ。

山門から本堂への道の途中では、松尾芭蕉が源義経の亡くなった高館(たかだち)で詠んだ「夏草や 兵共が 夢の跡」の句碑と新渡戸稲造が訳した英文の句碑も見ることができます。

庭園を散策した後は、お休み処・松風庵で、長寿祈願の酒蒸しまんじゅう「延年まんじゅう」を食べながら一息つくのも良いかもしれません。

まとめ

わたしは毛越寺の庭園を見て、中尊寺よりも気に入ってしまいました。関西からだと少し遠いですが、ぜひ平泉周辺の他の世界遺産や厳美渓、猊鼻渓などと組み合わせて、出かけてみてください。

 

毛越寺の詳細情報

住所:岩手県西磐井郡平泉町平泉字大沢58

開館時間:3月5日~11月4日:8:30〜17:00、11月5日~3月4日:8:30~16:30

拝観料:大人500円、高校生300円、小・中学生100円

アクセス:JR東北本線平泉駅から徒歩7分

この記事を書いた人

柿生 亜実
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