秋らしい器を探しにいきませんか?

yamashita
2019.09.13

記録的な暑さも一段落、やっと秋の気配がしてきましたね。みなさんは陶磁器の町と言えばどこを思い浮かべますか?今回は「秋らしい器を探しにいきませんか」と題して全国のおすすめしたい陶磁器の町をご紹介します。

 

■赤絵が秋の気配にマッチする九谷焼「金沢」

 

出典:九谷物産株式会社

 

九谷焼の窯元は金沢から大聖寺にかけて点在しています。もともとはかつての大聖寺藩で良質な陶石が発見され、大聖寺藩士だった後藤才次郎を有田に忍び込ませて技術を持ち帰らせたのが九谷焼のはじまりです(1655年頃)。

その当時の九谷焼は古九谷と呼ばれ、現在のような赤絵ではなく青や緑、黄色を多用した重厚感のある古伊万里によく似た特徴を持っていました。古九谷は、大聖寺藩の諸事情によっていったんは途切れますが、1800年頃に加賀藩によって再興されます。現在の九谷焼はこの再興九谷様式を受け継いでいます。

 

 

モダンでセンスの良い食器がそろいそう「波佐見」

出典:monsen

 

波佐見焼は長崎県東彼杵郡波佐見町で産出される磁器です。有名なものには白山陶器の「G型しょうゆさし」があります。モダンで機能性を追求した器が多いのが波佐見焼の特徴です。波佐見焼のルーツは「文禄・慶長の役」があった1598年頃までさかのぼります。

江戸時代、庶民には贅沢品とされていた磁器の大量生産に成功し、一般庶民にも広く磁器が普及しました。このときの茶碗が「くらわんか碗」と呼ばれるものです。有田や伊万里といった焼物の産地と隣接しているため、薪炭材をめぐって山中でしばしば乱闘や殺害事件が起きたという記録が残されています。

 

 

たぬきだけではありません!味わい深い「信楽」

出典:四代高橋楽斎

 

関西で良い器を探すのでしたら大阪や奈良、京都から車でアクセスしやすい信楽がおすすめです。信楽焼といえばタヌキの置物を連想しますが、奥深くて味わい深い器がそろうことでも知られています。

日本六古窯のひとつに数えられており、焼成の際の温かみのある火色(緋色)と特有の土味が特徴です。「侘び寂び」に通じる情趣があるため茶道の世界でもよく利用されています。

 

 

織部や志野の伝統を受け継ぐ美濃焼「多治見」

出典:中川政七商店

 

美濃焼の起源はとても古く、平安時代までさかのぼります。平安時代に焼かれていた須恵器が美濃焼の起源だとされています。

桃山時代に入ると、それまではなかった自由な発想で作陶がおこなわれるようになり、その中に織部焼や志野焼があります。

 

 

まとめ

今回は、日本の代表的な陶磁器の産地をご紹介しました。素敵な器は日々の暮らしを豊かにしてくれます。忙しく過ぎ去る日々、できるだけていねいに暮らしていきたいものですね。秋らしい酒器やお皿で、深まりゆく秋の味覚や趣向を楽しんでみませんか?

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