禅と結びついて発展してきた茶道第4弾!長い息は長生きの印?「寒林胎宝」を読み解く

yamashita
2018.09.08

 

はじめに

ストレス社会といわれるようになってずいぶんとたちます。日々ストレスにさらされているのは会社勤めをしている人だけとは限りません。家族が大きなストレスの原因になっている人もいることでしょう。今回は禅と結びついて発展してきた茶道第4弾!「寒林胎宝」を読み解きながらストレス社会を生き抜く禅の呼吸法について解説していきます。

 

■「寒林胎宝」について

「寒林胎宝」は、白隠禅師が古今東西の禅に関する経文や書物から肝心な部分だけを抜粋してまとめあげた書物です。白隠禅師は終生「寒林胎宝」を座右にそなえていました。

 

「寒林胎宝」の「寒林」とは道理でははかれない難しい難問、絶体絶命のピンチを指します。「胎宝」とは絶体絶命のピンチから蘇生するための真理、大死の状態から救い出してくれる宝という意味です。

 

「寒林胎宝」の中の禅の呼吸法について詳しく記述している「少室夜坐の吟」にスポットをあててみましょう。

 

■「少室夜坐の吟」

「少室夜坐の吟」では午後8時から午前4時までの座禅を想定しています。一般の方には長時間の座禅は無理かもしれませんが、呼吸法を知ることだけでもストレスに打ち勝つ方策になります。

 

・一更(午後8時)

少室夜坐の姿勢は、一般的なあぐらをくんで、左モモの上に右足を乗せ、右モモの上に左足を乗せます。この座り方が「結跏趺坐(けっかふざ)」という姿勢です。

 

同じようにあぐらをくんで、右モモに左足のみを乗せる座り方を「半跏趺坐(はんかふざ)」といいます。

 

座禅は「結跏趺坐(けっかふざ)」と「半跏趺坐(はんかふざ)」のいずれかで行います。

 

両手を軽くにぎって下腹部のあたりに置き、丹田(下腹部)に意識を集中させて背筋をまっすぐにします。視線は約1メートル先に定めてリラックスしてください。

 

呼吸は、ゆっくり丹田(下腹部)から息を吐き出し、息を吐ききったらゆっくり息を吸います。またゆっくり吐いて、ゆっくり吸うことをくりかえしながら、自然にまかせて呼吸をととのえていきます。しばらくすると胸中が朗らかになってくるはずです。

 

・二更(午後10時)

2時間ほど無心で呼吸に集中するうちに心のうちが明るく清らかな気分になります。何も考えず空のみを意識してください。座禅の意味を考えてはいけません。

 

・三更(午後12時)

心境が清浄になって、世界の一切が含蔵し一切を円融した境地に達します。

 

・四更(午前2時)

有も無も明も暗も認めがたい仏如来の見地が展開します。

 

・五更(午前4時)

過去において少しも顧みることなく、現在、未来にわたっても決して思慮分別にはおよばず。今日、ただ今、目の前のことだけが真実だと悟りましょう。

 

ピタリと念慮(人間関係の悩みや将来のことを思い悩むといった雑念)を断つこと。そのことをカラダに具備することが大切です。

 

 

まとめ

タイの洞窟でサッカーチームの少年たちが遭難したとき、洞窟の中で瞑想をしていたというニュースが話題になりました。まさにあの瞑想体験はピンチから救い出してくれる「寒林胎宝」だったのではないでしょうか。みなさんもストレスを感じて病気になりそうなときや、家族に困った人がいて頭にきたとき。いろんなピンチの場面で「寒林胎宝」を思い出して、呼吸を整えるように意識してください。

 

 

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