日本のジャズミュージシャン ボーカリスト・石川真奈美

Reirei
2019.11.02

筆者が実際に演奏を聴き「この人はお勧め!」と太鼓判を押すジャズミュージシャンを
ご紹介するシリーズ。今回はボーカリスト・石川真奈美さんです。

 

石川真奈美(いしかわ まなみ) プロフィール


2018.6月 池袋 P’s Bar

12月5日生まれ。東京都出身。4歳よりピアノを始める。
東洋英和女学院中・高等部在学中にクラシックの声楽を学ぶ。
同校短期大学英文科卒業後、出版社に勤務、その後退社。

1989年、ミュージックカレッジ・メーザーハウスに入学。後藤芳子にジャズヴォーカル、板橋文夫にジャズピアノを師事。理論、バンドアンサンブル等ひと通りのカリキュラムをこなし翌年からライブハウス等で歌い始める。

1993年、混声ジャズヴォーカルグループ「Breeze」を結成。リーダーを務め、コーラスアレンジにも意欲的に取り組む。

1995年「ツムラジャズボーカル賞」新人賞を受賞。

1997年5月ファーストアルバム「FOOT STEPS」をキングレコードよりリリース。
多数のライブハウスの他、国内外各地のジャズフェスティバルやイベント、コンサートに出演。また、NHK「ときめき夢サウンド」等のテレビ、ラジオ番組に数回にわたり出演。

1998年8月末に「Breeze」を脱退後はソロシンガーとしてライブハウス、ホテル、レストラン、イベント等に出演。歌詞を重視した情感あふれる歌唱のほか、器楽的なアプローチも得意とする。

2001年から2003年にかけて、ジャズスタンダード200曲を歌う企画ライブが好評を得る。

2005年より「Breeze」の初代メンバーでもある矢野眞道、中村早智とともに、
よりジャズ色の強いヴォーカルユニット「a・i (エー・アイ)」を結成。
おもに都内、近郊のライブハウスに出演している。

2014年8月、ギタリスト3人とのデュオアルバム「THE WAY OF LIFE」 、2015年7月に「THE WAY OF LIFE 2」をリリース。

2015年11月、パーカッショニスト永井朋生、ギタリスト土屋秀樹とのユニット HUES(ヒューズ)のファーストアルバム「in hue notes」を発表。

引用:石川真奈美 〜Manami Ishikawa〜 Website プロフィールページ

 

至宝の楽器が奏でる「歌」


2019.5月 池袋 P’s Bar

4歳からピアノ、中高でクラシックの声楽を学ぶという、しっかりした基礎を持つ真奈美さん。
後に後藤芳子さん・板橋文夫さんというジャズの大御所に師事し、その才能を開花させました。

プロフィールには「歌詞を重視した情感あふれる歌唱」と記されていますが、それは「こってり濃厚なセンチメンタリズム」や「歌詞に入り込んで陶酔するような歌」とはまったく違うように思います。そういった歌唱もまた魅力的ですけれどね。
真奈美さんは曲のすべてを大きく抱きとめた後、魂で丁寧に吸収し自分の音楽を紡ぎあげているのだと、筆者はいつも感じています。その様子はまるで音楽の女神のよう。

そして、彼女自身が至宝の楽器でもあります。アドリブでのスキャットの素晴らしさには、感嘆のため息が抑えられません。歌詞の無い曲でもスキャットで「器楽的なアプローチでの『演奏』」をしてしまう凄さといったら! あの感動を一度でも味わえば、誰もがきっと真奈美さんの虜……。

 

様々な角度から音楽を追究する真摯な姿勢

多くのボーカリストたちは、楽器演奏者の方々と共にライブを行います。ギターデュオ、ピアノデュオ、複数の楽器……その編成は様々。ソロでの弾き語りもありますよ。加えて、真奈美さんはジャズボーカルユニット「a・i」でも大活躍中です。

彼女の音楽へのアプローチ手法はそれだけではありません。ジャズのスタンダードを中心としたライブの中で1~2曲、洋楽ポップスや日本の意外な楽曲を取り上げることがあるのですが、これがまた本当に素晴らしい! 昭和歌謡歌声喫茶大会というとてもユニークな企画もありましたし、現在はマタイ受難曲を歌うという、非常に難易度の高いライブを続けています。

優れた曲と演奏はジャンルを超えて輝き、人を魅了するということをリアルに体現している真奈美さんは、ジャズボーカリストという枠にとらわれない、偉大なるアーティストと言えるでしょう。

 

作品紹介

今までに5枚のCDがリリースされています。
今回はその中から『THE WAY OF LIFE 2』のダイジェスト動画をご紹介しましょう。
特に2曲目の「Dindi」は、ライブで聴くと涙をこらえるのが大変。

 

こちらはジャズボーカルユニット「a・i」のCD『now is the time』
2018年5月に発売された、現時点で一番新しいアルバムです。
画像をクリックするとディスクユニオンのページに飛び、全曲の一部試聴ができますよ。
真奈美さんはソプラノ、アルトは中村早智さん、男性ボーカルは矢野眞道さん
皆さん素晴らしいボーカリストです!

 

 

チャーミングで笑いの絶えないライブ

2018.8月 中野 Big River にて恒例の終演後変顔写真撮影大会。ギタリストの天野丘さんは先にご紹介した『THE WAY OF LIFE 2』でも共演しています。

クラシックを土台とし、ジャズの大御所に師事したような方のライブだと、とても気難しくピリピリした雰囲気なのでは? と不安になる方もいらっしゃるかもしれません。いえいえ! むしろ笑い皴ができる心配をした方がよいかも。
深い洞察力と豊富な語彙、そして思いやりにあふれた真奈美さんのMC(ここでは曲間のお話という意味)は歌詞解説がとても分かりやすく、しかも笑いが満載。休憩時間や終演後のリラックスタイムも抜群に楽しいのです。ジャズ通の方は勿論、初心者の方にも自信をもってお勧めできるライブですよ!!

 

さいごに

石川真奈美さんのホームページと Facebookページ をご紹介しておきますね。
どちらもこまめにスケジュールがアップされていますので、要チェックです。

石川真奈美 〜Manami Ishikawa〜 Website

石川真奈美 Manami Ishikawa Facebookページ

皆さんのお近くでライブがある時は、是非足を運んでみてください。
豊かで薫り高い音楽と共に笑顔をもたらしてくれる時間が、必ずそこにあるはずです。

この記事を書いた人

Reirei

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Reirei

多趣味小芸のぐうたら50代。 音楽はクラシックからAKB48まで、何でも楽しく聴きます。 50代からはまったジャズライブ通いは、もはやライフワークのようなもの。 特技はPCいじり(自作も)、糖質制限メニュー開発等々。

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