いつも聞こえてくる美しい小鳥のさえずり。でも何という小鳥が鳴いているのか知らないという人が多いのではないでしょうか。今回は私たちの身近で美しくさえずる代表的な野鳥をご紹介します。
クロツグミ
中国の広東語の発音に近いクロツグミ、もしかしたら古代中国の人たちはこの美しい鳴き声をまねて第一声を発したのかもしれませんね。主に日本の本州や中国の長江流域で繁殖活動を行い、寒い季節は中国南部で越冬します。
ツグミの中では最も小さく、さまざまな野鳥の鳴き声を取り入れてアレンジすることで知られています。
最も美しいさえずりをする小鳥です。
※スズメ目・ヒタキ科・ツグミ属
ホトトギス
「鳴かぬなら鳴くまで待とうホトトギス…」。織田信長、豊臣秀吉、徳川家康、戦国時代の3人の武将の性格を表現するときによく使われる野鳥です。
日本では古代から万葉集をはじめ、さまざまな文学作品に登場してきました。「枕草子」では、いち早くホトトギスのさえずりを聞こうと、夜を徹して待つ様子が描かれています。
文学作品によく登場するためか、杜鵑、杜宇、蜀魂、不如帰、時鳥、子規、田鵑など、漢字表記がとても多い鳥です。
「テッペンカケタカ、テッペンカケタカ」や「特許許可局」などと鳴き声を表現することがあります。
※カッコウ目・カッコウ科
アカショウビン
連続テレビ小説「なつぞら」で、雄大な北海道の自然をバックにしたシーンでよく鳴いているのがアカショウビンです。
カワセミの仲間で、体型もよく似ています。しかし最大の特徴は燃えるような真っ赤な口ばしです。この特徴から「火の鳥」という異名を持っています。
朝鮮半島や中国、日本全土、フィリピンやインドまで東アジア一帯の広い地域に生息しており、フィリピンやマレー半島、インドネシアなどで越冬します。
※ブッポウソウ目・カワセミ科
フクロウ
フクロウは、夜の鳥の代表的な存在です。鳴き声の特徴からフルツクと呼ぶ地域があります。「フッフウ フルツクフウフウ」と鳴きます。
夜行性なのでその姿を目にする機会は少ないかもしれません。しかし、その鳴き声に親しみをこめて「森の哲学者」や「夜の番人」などと呼ばれることがあります。
※鳥綱フクロウ目・フクロウ科・フクロウ属
まとめ
私たちの身近で美しいさえずりを聞かせてくれる代表的な野鳥をご紹介しました。クロツグミやアカショウビンの鳴き声は知っていたけれど、名前までは知らなかったという方が多いのではないでしょうか。名前を知っていると「あ、ホトトギスが鳴いてる」って言えますね。