はじめに
美味しい和菓子が味わえるのも茶道の楽しみの一つ。今回は、わくわくするような美しくてイマジネーションをかきたてられる和菓子をご紹介したいと思います。お菓子も趣向の一つになります。「ちょうどいま、美味しいお菓子があるのでお茶でもどうですか?」と言ってお友達を茶会に招待しましょう。一人静かに独服しながら密かに美味しい和菓子を楽しむのもいいですね。
■鈴懸の大葉餅
ふっくらと蒸しあげた佐賀産のヒヨクモチでこしあんをつつみ、大葉ではさんだ涼しげなお餅です。鈴懸は博多にある創業90年の老舗和菓子店。和菓子の素材には厳選した自然素材のみを使用し、素材が持つ本来の味を追求しています。
■鈴懸の節句上生菓子
節句上生菓子(せっくじょうなまかし)には、雄雛・雌雛・橘・菱羊羹・桜の5種類があります。雛飾りを見立てた目にも鮮やかな色とりどりの生菓子。雄雛、雌雛は薯蕷の練り切りにこなしの着物をまとわせています。橘、菱羊羹、桜は香り高い上品な味わいです。2月下旬~3月3日までの限定。
■鈴懸の「木の芽薯蕷」
木の芽薯蕷「きのめじょうよ」と読むそうです。薯蕷というのは「つくね芋」を原料にしたお饅頭のこと。「つくね芋」の生地で餡子をつつみ、蒸し揚げることでふんわりとした真っ白な薯蕷饅頭に仕上げています。薯蕷の上には香り高い木の芽を飾っています。3月中旬~3月末までの限定。
■鈴懸の葛桜
九州の山奥でとれる本葛を原料にした葛餅です。半透明の葛はねっとりとした口あたりに仕上げています。葛餅の中の餡子が透けて見えています。暑い夏に涼しい風情を添えてくれそうな一品。春から夏にかけての限定。
■榮太樓總本鋪の創製銘菓「玉だれ」
銘菓「玉だれ」。ネーミングが素敵すぎますね。日本橋・榮太樓総本舗の初代・榮太樓の細田安兵衛氏が発案したお菓子です。薄緑色の芯(山芋と米粉を丁寧に練り上げた餡子)にはザクザクとすりおろした静岡産のワサビが練り込まれています。薄緑色の芯を透き通った求肥で包んだ上品な生菓子です。
まとめ
今回は、美しくて美味しそうな和菓子を集めてみました。見ているだけで楽しい気分にしてくれる和菓子。銘菓「玉だれ」には、静岡産のワサビが使われているそうです。斬新な発想だと思います。千利休の時代には「フノヤキ」とか「シイタケ」が菓子としてふるまわれていましたが、えらい進化したものだと思います。楽しいお菓子や変わったお菓子を取り寄せてお茶を楽しんでみませんか。