これまでジャズライブについての様々な情報をお届けしてきました。
他にも、知っておくとライブがより楽しくなる豆知識がたくさんあります。
その第一弾である今回は「ジャズのリズム」についてご紹介しましょう。
決して難しくないので、どうか肩の力を抜いてお読みくださいね。
ジャズの基本的なお約束
ジャズを聴く際、知識をたくさん持っていれば、とても深く楽しむ事ができます。
しかし知識をさほど持たなくても、聴くだけで心が弾む……音楽とは、基本的にそういうものではないでしょうか。
そんな中、聴き手が簡単に習得出来て、知っているとより楽しい!というものがいくつかあります。
そのひとつが「ジャズのリズムは裏拍!」ということです。
裏拍ってなに?
いきなり難しいじゃないか! と思われた方、申し訳ありません。でも大丈夫です!
言葉でくどくど説明するより、実際に試していただくのが早道でしょう。
皆さんご存知の「メリーさんの羊」を例にしてみました。
表拍から練習
まずは「表拍」といわれるものから。
自然にゆっくり1、2、3、4と手拍子をしながら歌ってみてください。
日本人がごく普通に歌うと、太字=奇数部分がやや強くなるはずです。
1 2 3 4 1 2 3 4 1 2 3 4 1 2 3 4
めー り さん の ひ つ じ ♪ ひ つ じ ♪ ひ つ じ ♪
ずん!(ちゃ)ずん!(ちゃ)という感じになりますね。
これが日本語の自然なリズム感に合わせた拍子の取り方=表拍です。
裏拍の練習
ではいよいよ、裏拍にチャレンジしてみましょう。
今度は意識して、偶数部分に力を込めて手拍子をしつつ、歌ってみてください。
1 2 3 4 1 2 3 4 1 2 3 4 1 2 3 4
めー り さん の ひ つ じ ♪ ひ つ じ ♪ ひ つ じ ♪
(ぅん)ちゃ!(ぅん)ちゃ! というリズムです。
「メリーさんの羊」がいきなりお洒落になりました。思わず「いぇい!」と合いの手を入れたくなります。
これぞ裏拍=「ジャズのリズム」です!
とはいえ、実をいうとこれはジャズ限定のリズムではありません。
英語自体が、元々裏拍を取る言語なのです。
なので、アメリカンポップスなどで手拍子を取る時も、こちらの裏拍になります。
なんで裏拍を知った方がいいの?
大きな理由は2つあります。
1. ジャズらしく楽しくノれる!
ジャズは元々アメリカで生まれた音楽、というのは皆さんご存知だと思います。
そのアメリカで使われている主な言語は英語ですよね。
ならば、その言語に即したリズムの方が楽しくノれるはず!
また、ジャズを創り上げた黒人たちには、この裏拍のリズムが生まれつき備わっているともいわれます。
(裏拍=アウトビート・オフビートとも呼びます)
演奏するミュージシャンは当然そういったことを熟知し、体に刻んでいる人たち。
それに合わせることで、より一体感が増します。
ノリの良い曲の時はもちろん、しっとりした曲でもこのリズムに合わせて体を揺らせば、快感倍増間違いなしです。
2. 手拍子をする場面で!
リスナーが楽しそうにしていると演奏者も嬉しくなり、手拍子カモーン!という場面がしばしば生まれます。
そんな時にジャズのリズムと真逆の表拍を打ったら、演奏者がずっこけてしまいます。
裏拍がどうしても上手く取れないという方は、無理せず自分のリズムで体を揺らせば十分ですよ。
いかがでしたか?
皆さんも是非、ジャズライブでノリノリに楽しんでくださいね。
「ジャズ豆知識」は、今後も他のシリーズと共に、不定期連載の予定です。