「スズメダイの幼魚が群れて、釣りにならなかった」釣りをしていると、誰しもが一度は経験することではないでしょうか。では、もういっそのこと、スズメダイの幼魚を釣り上げて食べてみてはいかがでしょうか。スズメダイの生態や、調理法をご紹介します。
サビキ釣りの外道「スズメダイの幼魚」
「オセン」という通り名で知られているスズメダイの幼魚。スズメダイは最大15cm程度にまで大きくなる魚で群泳するため、1匹釣れると次から次へと釣れます。特に幼魚は大きな群れになり、ダイバーの鑑賞相手としても人気です。
エサ取りとしても有名で、特にサビキ釣りでは釣れたその場で海に帰される不人気な外道です。人が多く入る釣り場の魚はスレていることがありますが、スズメダイの幼魚はスレると、仕掛けが海に落とされる音を聞くや否や、群れで集まってしまうため、大変厄介者だと言っても過言ではありません。
スズメダイは実はおいしい魚!
スズメダイは外道として釣れても持ち帰る人が少ない魚ですが、実は食べるとおいしい魚です。スズメダイがよく釣れるのは、4~11月ですが、おいしさの旬はゴールデンウィーク前後から初夏までの産卵を控えたときです。脂が乗り、焼くと内側から脂があふれ、とってもジューシーになります。
スズメダイの幼魚を食べよう!【スズメダイのカルパッチョ】
15cm程度のスズメダイなら塩焼きにして食べるのがおすすめですが、サビキ釣りで掛かりやすいサイズといえば、10cmにも満たない幼魚。それもサビキのすべての針にかかるいわゆる「こいのぼり」状態で釣れてしまいます。では、さっそくスズメダイの幼魚を食べてみましょう。
(1)釣り場で下処理をする
小さな魚は傷みやすく、内臓処理をしないままにしておくと、すぐにアンモニア臭くなってしまいます。可能な限り釣り場で下処理を済ませておくことをおすすめします。
今回は、うろこを取って頭を落とし、内臓処理までをしておきました。スズメダイは体のわりにうろこが大きくかたいのが特徴です。
(2)3枚におろす
下処理を済ませたスズメダイを3枚におろします。しっかりと固い骨が入っているため、同じサイズのチャリコよりも身が硬くさばきやすいのは、スズメダイの良いところです。
(3)皮を引く
今回は生で食べるため、皮を引きます。透明でとてもきれいな白身です。幼魚なのでこれ以上包丁を入れずに食べられるため、手軽だと言えるでしょう。
(4)野菜と和えてカルパッチョに
レタスやキュウリ、トマトなどカルパッチョとして和える野菜を用意しボウルに入れ、捌いたスズメダイと合わせます。市販のイタリアンドレッシングと合えれば完成です。
スズメダイの刺身ってどんな味?
釣れてすぐに内蔵処理をしているため、くさみがなくあっさりとしています。処理のタイミングさえ間違えなければ、旬の時期ではなくてもほんのりとした甘みもあり、カルパッチョやお造りとして食べてもおいしくいただけますよ。スズメダイの幼魚が群れて釣りにならない!というときは、大きめの幼魚を狙って、ぜひ調理してみてください。