猛毒危険!「キタマクラ」は釣れても素手で触らないで

馬の耳に小林
馬の耳に小林
2025.01.12

釣りを楽しんでいると、時折毒魚が釣れてしまうことがあります。ひとくちに毒魚といってもタイプはさまざまで、食べたり触れたりすることで、高熱が出たり下痢が出たりすることも。痛みと伴うことも珍しくなく、なかには人を死に至らしめるような脅威をもった魚もいます。

今回は、猛毒を持つことで知られる「キタマクラ」を紹介します。釣りの際には、十分に気を付けてくださいね。

 

キタマクラは猛毒をもったフグ

画像:筆者撮影

人が死亡した際に、日本では死亡した人を北向きに寝かせる風習があります。そのことから人が死亡するほどの毒をもったフグということで、「キタマクラ」と名前がついています。

「キタマクラ」は浅場の岩礁域や転石、サンゴ礁域に生息し、本州以南でよく釣れてしまうフグの1種です。複数で群れていることが多いため、1匹釣れると数匹連続で釣れることも珍しくありません。

キタマクラのここに注意

画像:PhotoAC

「キタマクラ」は成魚で15cm程度になる小魚で、体側に帯状の2本の褐色線があるのが特徴です。

注意したい点は、体に現れる文様や体の色に個体差があり、一見「キタマクラ」に見えない場合や、ほかの魚にとてもよく似ていたりする点です。

インターネット上に掲載されている「キタマクラ」の写真はおなか側を中心に青みがかかっている場合が多くありますが、腹側が青いのはオスのみでメスは青くないため、腹側の青色だけでは見分けるポイントにはなりません。

 

キタマクラの毒は皮膚が強毒

画像:PhotoAC

フグ毒といえば、内臓に蓄積されているイメージが強い方も多いかもしれません。「キタマクラ」は腸や肝に毒があるだけでなく、皮膚にも毒があり、皮膚の毒性が強い点は注意した方が良いでしょう。

食べるのはもちろん、素手で触ると危険とされるのが一般的ですが、毒が人の体内に入らない限り危険度は低めです。とはいえ、ケガや傷のある手で「キタマクラ」に触れる、キタマクラを触った手で口や目を触るなどがあると、毒が体内に入り、最悪の場合死に至ることも。

危険度が高いため、「キタマクラ」が釣れてしまっても、やはり念のため、素手では触れないことをおすすめします。素手で触ってしまった場合は、すぐに手をよく流水で洗ってください。

キタマクラの毒性は?

キタマクラの持つ毒は、フグ毒として知られる「テトロドトキシン」です。

この毒は、300℃程度の高温でも毒性が消えることがなく、ほんの2~3mg程度が体内に入るだけでもヒトが死んでしまうほど毒性が高いことで知られています。

現在は特効薬が見つかっておらず、万が一、経口摂取した場合は、早急に下剤での排出や胃洗浄が必要になります。

カワハギに似ているので要注意

画像:PhotoAC

「キタマクラ」は毒魚ではありますが、とても愛嬌のある可愛い顔をしています。カワハギにも少し似ているため、釣れたときにカワハギと勘違いして触ってしまわないよう気を付けましょう。

体の文様や色だけで見分けるよりも、体表の質感で見分けるのがおすすめです。

カワハギは、体表がざらざらした魚ですが「キタマクラ」は全体が粘膜で覆われており、表面がぬるっとしています。見た感じでみずみずしさのある体をしている場合は、「キタマクラ」を第一に疑ったほうが良いでしょう。

釣れたら優しく海に返そう

「キタマクラ」は強い毒をもつ厄介なフグですが、かわいい海の生き物でもあります。もし釣れてしまった場合は、キタマクラに直接触れないように十分注意しながら針を外し、優しく海へ返してあげてくださいね。

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