刀のような輝きを放ち、魚の中でもとびきり美しい「太刀魚」。
船釣りのターゲットとして人気の魚ですが、産卵期を迎える秋は、堤防からでも釣ることができるのをご存じでしょうか?
引きも強く、サイズも大きい、食味も抜群と釣りの醍醐味を存分に感じさせてくれる太刀魚を堤防から釣ってみませんか?
太刀魚の旬はいつ?
太刀魚は1年を通して美味しく食べられる安定した味わいが魅力の魚ですが、特に産卵期を迎える6~10月の間は旨味がアップし、
産卵のために接岸するため堤防からでも釣りやすくなります。堤防からの釣りは、9~11月頃に最盛期を迎えるため、
秋からの釣りターゲットとしておすすめです。
太刀魚はどんな魚?
太刀魚はうろこを持たない魚で、グアニン質が体表を覆っています。底引き網や定置網漁で収穫されますが、
グアニン質は傷付きやすいため、漁で獲れたタチウオよりも釣り物で獲れたキレイな太刀魚のほうが
高値で取引きされるのが一般的です。
太刀魚は、和歌山が全国3位の漁獲量を誇ります。関西では数釣りが楽しめる魚のうちの1つです。
太刀魚釣りの仕掛けは?
太刀魚は夜行性なので、釣れる時間帯は日没~2時間前後と明け方が狙い目になります。
太刀魚は歯が鋭い魚ですが、その歯は薄く折れやすいため、あまり固いものを食べることができません。
そのため、太刀魚のエサとなるのはイワシやきびなごなどの小魚が中心になります。朝マズメや夕マズメと呼ばれる時間帯に
イワシやアジの活性が高まり、その小魚を追って太刀魚も表層に上がってきます。
出典:LUMIKApresentsケミホタル倶楽部別冊「実践仕掛け集」
秋の夕マズメ・朝マズメはもう日が暮れて、釣り場一帯は暗くなります。
デンキウキを付けると、その光にプランクトンが集まり、捕食するためにイワシなどの小魚が集まってきます。
結果的に太刀魚を寄せることができるため、仕掛けにはデンキウキを使用する方法がおすすめです。
餌には、サビキで釣ったイワシや、釣具屋さんで購入できる冷凍のきびなごなどがおすすめです。
釣り方のコツは?
太刀魚に限らず、釣果を上げるにはターゲットになる魚の習性を良く知っておくことが重要になります。
太刀魚は群れで泳ぐ魚なので、当たりがある場所や1匹釣れたら同じ場所を狙って仕掛けを投入しましょう。
太刀魚はその大きな体とグアニン質が一番の特徴です。普通に泳いでいるとその体が月明りに反射して、小魚を逃がしてしまう
ことになるため、光が反射しないように太刀魚は縦になって泳ぎます。
下から表層の小魚を狙って食べるという変わった習性があるため、釣りのときもその習性を活かして釣ると釣果が上がります。
太刀魚の活性が低い場合には、仕掛けを上下に揺らして誘いをかけると釣果が上がりやすくなるためおすすめです。
とはいえ太刀魚は1回で小魚を丸のみにできるような器用さがありません。少しずつ捕食するため、誘いを大きくしてしまうと、
太刀魚が食べようとしてもかえって食べられない状態になってしまいます。誘いは小刻みに小さくがポイントです。
太刀魚ってどんな当たり?
太刀魚の当たりは、はじめに数回コツンコツンとした小さなものを感じますが、その時はまだ太刀魚が魚をくわえ始めたところです。
この時に合わせてしまうと釣り上げられず、失敗します。小さな当たりを数回やり過ごし、大きな当たりに変化したときを狙って、
すかさず引き上げることがポイントです。
太刀魚のお刺身は釣り人の特権!
大きく肉厚の太刀魚が釣れた場合には、お刺身で食べるのがおすすめです。
太刀魚は、脂が乗り、旨味があるのに身があっさりとしており、歯応えもあって大変美味しいものです。
太刀魚は傷みやすい魚のうちの1つなので、鮮度が良いものでないとお刺身でおいしさを味わうことができません。太刀魚のお刺身は、
釣り人だからこそ味わえる贅沢な味と言えるでしょう。
スーパーで購入した太刀魚は、加熱調理が基本です。塩焼きにするのが一般的ですが、唐揚げも絶品です。
秋の釣りに堤防から太刀魚を!
9月から11月にかけて堤防から釣れる大物、太刀魚。10月頃になるとドラゴン級と呼ばれる
大きくて肉厚の太刀魚が釣れることも少なくありません。
太刀魚は釣り上げるときに体をS字にひねるため、水の抵抗が大きく、パワー釣りの醍醐味を存分に楽しませてくれる魚です。
秋は気候も良く釣りやすい時期なので、これまで釣りをしたことがないという方もチャレンジしてみてはいかがでしょうか?