中国の映画などを見ていると、茶盤とよばれる道具で大胆にお茶をいれるシーンがよく登場します。あのお茶を飲んでみたいとお思いになった方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回は中国茶のいれ方、楽しみ方についてご紹介していきます。
中国茶芸について
日本の茶道のようなものが中国にもあり中国茶芸と呼ばれています。日本の茶道は、一挙手一投足に細かな決まり事がありますが、中国茶芸の場合はいたっておおらかです。中国茶芸の作法は、あくまでお茶を美味しく飲むためのもので、贅沢なお茶の道具などを話題にしつつ、贅沢な時間を過ごします。
日本は番茶や緑茶、抹茶などお茶の種類が限られていますが、中国茶の種類は実に膨大です。それぞれのお茶に適した湯の温度や抽出方法があります。
中国茶芸に必要な道具は?
・茶盤(ちゃばん)
日本茶にない中国茶の大きな特徴となるのが茶盤という道具です。これは茶壺や茶杯にお湯をかけて温めるときに使用します。日本茶のようにこぼさないように細心の注意を払ってお茶を入れなくてもよいのである意味便利。おもてなしのときにも話題になると思います。
・ 茶壺(ちゃふう)
茶壷(ちゃふう)は、日本で言う急須のことです。中国茶は茶壷から直接注ぐのではなくて、いったん茶海と呼ばれる容器に移してお茶の濃度を均一にして茶杯に注ぎます。
・ 茶杯(ちゃはい)
茶杯というのは、日本茶で言うところの湯飲み茶わんのことです。一般的に小さいのが中国茶の特徴で、日本酒を飲む盃(さかずき)と似ています。
・ 茶海(ちゃかい)
茶壷から直接茶杯へ注ぐのではなくて、いったん茶海に注いで、お茶の濃度を均一にしてから、茶杯に移します。
・聞香杯(もんこうはい)
あればでよい。お茶の香りをたのしむ杯です。
中国茶のいれ方・作法
①まず茶壷(日本の急須)に湯を注いで温めて茶海へ移します。
②茶海のお湯をさらに茶杯に移して温めます。
③茶壷に茶葉をいれてお湯を高い位置から勢いよく一気になみなみになるまで注ぎます。
④うえに浮かんだ泡(灰汁)を蓋で除きます。
⑤茶壷に蓋をして、上から熱湯をかけ、茶葉に適した時間の蒸らしをします。
⑦蒸らしたら茶壷の中身を茶海へすべて最後の一滴まで注ぎます。
⑧聞香杯があれば注ぎ、なければ茶杯へ注ぎます。
⑨聞香杯に茶杯をかぶせて上下をひっくり返します。
⑩聞香杯をそって持ち上げて香りを聞きます(楽しみます)。
⑪そのあと、ゆっくりと茶杯のお茶を味わいます。