禅寺の食事・「朝食(粥座)」「昼食(斎座)」「夕食(薬石)」のメニューをご紹介します

yamashita
2018.11.29

 

出典:サライ

 

はじめに

禅寺で修行を積む雲水さんや指導する老師はどのようなものを毎日食べていると思いますか?贅沢になった私たちの食生活からはほど遠い極めて質素な食習慣を禅寺では今も貫いています。今回は、禅寺での朝食(粥座・しゅくざ)と昼食(斎座・さいざ)、夕食(薬石・やくせき)のメニューをご紹介します。

 

 

■禅寺における食事の作法

出典:サライ

 

僧堂生活では雲水各自に専用の食器が割り当てられます。食器には大小いくつかの漆塗りの椀があり、大きい椀から順に重ねて袱紗に包んでいます。一番大きな椀が「応量器(別名:鉢)」です。袱紗をひらいて椀を展げたり、箸や匙を取りだしたりする動きのすべてに作法があります。

 

禅の作法が茶道における「お点前」のルーツになっているといわれています。私たちの食事スタイルも禅の「一汁一菜」が庶民に広まったものです。

 

 

■僧堂での1日の食事

 

出典:サライ

 

僧堂での朝食(粥座・しゅくざ)、昼食(斎座・さいざ)。夕食(薬石・やくせき)の1日のメニューを見てみましょう。

 

・朝食(粥座・しゅくざ)

粥座というくらいですから、朝食は明けても暮れてもお粥です。副菜は漬物と焼き塩だけ。ちなみに漬物は長持ちするように「大根菜」を大量の塩で漬け込んだ「万年漬」という漬物。「焼き塩」は塩を焙烙や鉄鍋などで炒ったものです。

 

・昼食(斎座・さいざ)

昼食を意味する斎座は、麦ご飯(米3:麦7)と漬物と味噌汁だけ。味噌汁の具材は野菜のみ、味噌汁には寺内で作った塩辛い自家製味噌を使います。

 

・夕食(薬石・やくせき)

仏教本来の戒律では昼の12時以降は食事をとらないことになっています。そのため、食事ではなく薬として解釈し「薬石」と呼ぶようになりました。内容は、麦ご飯(米3:麦7)と「野菜のおかず」1品、漬物だけです。

 

「野菜のおかず」には、昔は寺の畑でとれた野菜だけを使用していましたが、最近は豆腐や「がんもどき」といった食材も使われるようになっています。炒めものに使う油にいたるまですべて植物性の食材を使用します。魚、玉子、肉類とは無縁の食生活です。

 

 

まとめ

これだけの食事で本当にカロリーは足りているのでしょうか?しかし、禅寺で修行をする若い雲水たちは健康体そのもの。逆に私たちの贅沢になり過ぎた食生活を反省しなくてはいけないのかもしれません。実際にこのメニューを試してみましたが、比較的質素な食事をしている私でさえ物足りませんでした。もちろん、お酒などもってのほか。とても禅寺での修行には耐えられそうにありません。

 

 

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