はじめに
さいきん「お茶漬け」を食べる習慣が少なくなっているのではないでしょうか。そもそも、お茶を飲む習慣が減っているのですから、「お茶漬け」を食べなくなるのは当たり前のことかもしれません。今回はもっと「お茶漬け」食べよう!という内容でお届けします。
■「お茶漬け」の歴史を簡単におさらい
庶民が「お茶漬け」を食べるようになったのは江戸時代中期以降だといわれています。なぜ江戸時代中期まで「お茶漬け」がなかったのでしょうか。「お茶漬け」に欠かせない煎茶や番茶が普及していなかったことが原因です。
お茶といえば茶葉をひき臼でひいて作る抹茶が主流でした。抹茶で「お茶漬け」という発想が生まれるはずがありません。「お茶漬け」が登場する前には、ご飯に湯や水をかけて食べる「湯漬け」や「水飯(すいはん)」というものがありました。
「湯漬け」や「水飯」は平安時代に書かれた「源氏物語」や「枕草子」にたびたび登場しています。
「大御酒(おほきみ)まゐり、氷水(ひみず)召して、水飯(すいはん)などとりどりにさうどきつつ食ふ」(源氏物語:常夏)
現代訳:源氏の君たちはお酒を飲み、大騒ぎしながら氷水や氷飯をめしあがりました。
■おいしい「お茶漬け」を食べよう!
「お茶漬け」の作り方はとても簡単。お茶をご飯にかけるだけです。みなさんもおいしくて簡単な「お茶漬け」を作ってみましょう。
・鯛茶漬け
筆者撮影の動画
【鯛茶漬けの作り方】
- 醤油と酒を1:1の割合でお鍋に入れ沸騰させてアルコールを飛ばす。
- ①に鯛のお刺身を30分ほど浸けてヅケにする。
- 熱々のご飯にヅケにした鯛の切り身を並べて、上から熱々の煎茶をかける
・のり茶漬け
筆者撮影の動画
北大路魯山人のレシピを再現したものです。
【のり茶漬けの作り方】
- お醤油を鍋に入れて、板海苔をちぎり入れ、とけるまで煮つめて佃煮にする。
- ご飯に海苔の佃煮をのせて、わさびを添え煎茶をかける。
・納豆茶漬け
筆者撮影の動画
このお茶漬けも北大路魯山人のレシピを再現したものです。
【納豆茶漬けの作り方】
- 納豆に多めの醤油を混ぜて、100回以上練る。
- ご飯に納豆をのせて、その上から煎茶をかける。
まとめ
前回は「煎茶道」が「緑茶」の栽培方法や製茶方法を磨いてきた。という内容でお届けしました。私たちがおいしいお茶漬けがいただけるのも「煎茶道」のおかげです。煎茶にはグルタミン酸ナトリウムという「うまみ成分」が含まれています。それが「お茶漬け」のおいしい理由です。みなさんもぜひ、おいしい「お茶漬け」を楽しんでください。