茶会の花の活け方・気軽に野の花を活けてみよう!「椿編」

yamashita
2018.05.20

はじめに

昔の茶人はいつでも茶会で花が活けられるように自宅の庭にさまざまな季節の花を植えていました。今も自宅の庭に花をたくさん栽培している人もいますが、花屋さんから買い求めることが当たり前になりつつあります。今回は、お茶会での花の活け方についてご紹介していきます。

 

 

■茶会に重宝する椿

椿は種類ごとに開花時期がことなっているので、ほとんど1年中使える茶人にとってはありがたい花です。以下では椿の種類と開花時期をまとめました。

 

・やぶ椿:開花時期・2月~4月

椿の代表格で、素朴な風貌が茶人に好まれてきました。

 

・侘助(わびすけ)椿:開花時期・11月~2月

石庭で知られる龍安寺には日本最古の「侘助椿」があります。茶人だけでなく園芸好きな人たちにも人気があります。

 

・寒椿:開花時期・11月~2月

名前のとおり、寒い季節に花を咲かせる椿です。

 

・雪椿:開花時期・4月~6月

やぶ椿に似ていますが、やぶ椿はラッパ状に花びらが外に向かって広がっているのに対して、「雪椿」は雌蕊を花びらが包み込むような形をしています。

 

・夏椿:開花時期・6月~8月

夏椿は名前に椿とついていますが、「ツナキ科 ナツツバキ属」です。清楚な印象の白と爽やかな緑の葉のコントラストがお茶室に映える人気の高い花です。

 

 

■茶会での椿の活け方

茶人の多くは、既に咲いてしまった花よりも、咲きかけの膨らんだ蕾の状態を好みます。椿は雨や雪から花を守ろうとするので、葉が花の上にかぶさっていることがあります。その場合は、軽く指で後ろに引いて花の後ろに回すようにするか、癖の強い葉の場合は取り除きます。

 

椿の花1輪に対して、葉は、なるべく3枚、5枚、7枚と、奇数になるように取り除いて枝の形を整えます。適当な枝ぶりの椿がない場合は、形の良い枝と花を組み合わせて活けます。この方法を「椿の葉組み」といいます。このとき、椿の花と葉を同じ種類で統一してください。

 

 

■花器の選び方

茶会で用いる花器や花入れは小さめのものが良いでしょう。また、活ける花を引き立たせるために、渋い印象の花器をとり合わせることもポイントになります。赤い椿を引き立たせるには、伊賀や信楽、萩のような質感がしっくりときます。

 

夏場の風炉の茶会には、竹の花入れや花かご、ガラス製の花器などを使うと涼しさが演出できます。

 

花を上手に活けるためには、花が自然の中にあるかのように、自然の中の花を再現する思いで活けることが肝要とされています。

 

花器なども、ごつごつとした岩肌のような原野を彷彿とさせる風貌のものを合わせると、天衣無縫な大自然の状態が再現しやすくなります。

 

 

まとめ

今回は、茶会の際の花の活け方を中心にしてご紹介してきました。茶室という狭い限られた空間に、花を活けてそこに大自然を再現するということは容易なことではありません。なにはさておき、理屈よりも経験。練習も兼ねて、普段食事をしているテーブルや、玄関にお花を活けて楽しむことからはじめましょう。

 

 

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