はじめに
国宝に指定されているお茶室には、「待庵」と「如庵」ともう一つ「密庵」(みったん)があります。「待庵」と「如庵」は、前回紹介したので、今回は「密庵」をご紹介します。「密庵」は京都市北区の臨済宗大徳寺派大本山大徳寺の塔頭「龍光院」にあります。
■密庵(みったん)について
臨済宗大徳寺派大本山大徳寺は、京都市北区紫野にあり、近くまで行くとすぐにわかる規模の大きなお寺です。龍光院(りょうこういん)は大徳寺の塔頭で、大徳寺の広大な敷地の南西部に位置しています。
龍光院は、国宝の「密庵」をはじめ、密庵咸傑墨蹟や曜変天目茶碗などの国宝や重要文化財に指定されている貴重な美術品を多数所蔵しています。しかし、残念なことに拝観を一切受け入れておらず、特別公開といったイベントもほとんど行われていません。
「密庵」は、千利休や古田織部の流れをくむ茶道の本流を受け継いだ江戸初期の大名茶人「小堀遠州」の作とされ、書院に接続された四畳半のお茶室です。密庵床として名が通っている書院床は、密庵禅師の墨蹟をかけるためにこしらえられたとされています。
茶室の柱は、面皮、丸太、角柱を使い分け、張付壁には水墨画が描かれ、書院造の特徴を備えています。そのため、お茶室では一般的な躙り口がなく、ふすま口から出入りします。
残念ながら「密庵」は見学することがかないませんが、高桐院の茶室「松向軒」や黄梅院の茶室「昨夢軒」をはじめ、聚光院の「閑隠席」、真珠庵の「庭玉軒」、狐蓬庵の「忘筌」など、大徳寺には一般公開されている素晴らしいお茶室がたくさんあります。
■密庵を見学するにはどうすれば良い?
残念ですが「密庵」は見学できません。日本で最も見るのが難しい「建造物」「国宝」といわれています。
まとめ
今回は、国宝に指定されているお茶室のうちの3つ目「密庵」についてご紹介してきました。「密庵」は、最も見るのが難しい国宝・建造物とよばれており、拝観謝絶で特別公開のようなたぐいの見る機会も一切ありません。見られないとなると、余計に見たくなってしまいますね。