はじめに
今回はリニューアルオープンした野村美術館をご紹介します。野村美術館は南禅寺の北隣にある茶道の名品をたくさんコレクションしている美術館です。このあたりは南禅寺界隈別荘エリア、数多くの政治家や財界人の別荘が建ち並んでいます。野村美術館の近隣には、碧雲荘(へきうんそう)、何有荘(かいうそう)、對龍山荘(たいりゅうさんそう)、無鄰菴(むりんあん)といった有名な別荘があります。
■野村美術館について
野村美術館は、野村證券や旧大和銀行を創立するなど、一代で財閥を築き上げた実業家 野村徳七氏のコレクションをもとにして開設した美術館です。野村徳七氏は実業家である一方で得庵と号する茶人・文化人としても知られています。
野村美術館のコレクションには、重要文化財7件(伝紀貫之筆 寸松庵色紙や宗峰妙超筆 白雲偈頌、藤原定家・民部卿両筆 讃岐入道集など)や重要美術品9件が含まれています。コレクションの中心は野村徳七氏が蒐集した「得庵コレクション」です。
■野村徳七氏とは
野村徳七氏は、明治11年(1878年)に大阪の両替商の家に生まれました。27歳で家業の両替商を継ぎ証券業をはじめます。日露戦争で業績を伸ばし、やがて野村銀行を設立、本格的な金融業をスタートさせました。
金融業に加えて、インドネシアやブラジルで大規模な農場を経営し海外事業にも積極的に進出します。そして、一大金融グループである野村財閥を築き上げました。
野村徳七氏は、実業家として活躍する一方で、得庵と号し茶人または数寄者として、茶の湯や能楽の世界でも知られる存在です。
日本とフランスの文化交流にも尽力し、フランス政府よりレジオンドヌール勲章を授与されました。
■リニューアルオープン企画
野村美術館は開館35周年を迎えるのを機に館内を全面的にリニューアルしました。リニューアルオープン記念として、野村美術館が所蔵する名品や、これまで公開していなかった秘蔵品がすべてご覧いただける企画展を開催しています。
「得庵コレクション」は茶の湯や能にかかわる名品を多数所蔵しています。リニューアルに際して新しく設けた展示室では、これまでとは違った新しい感覚でコレクションを鑑賞していただけるように工夫しています。
【2018年秋季特別展】
前期:9月8日 (土) ~ 10月21日 (日)
後期:10月 23日 (火) ~ 12月 9日 (日)
休館日:月曜日 (月曜が祝日の場合は翌日)
開館時間:10:00~16:30(16:00 最終入館)
■野村美術館へのアクセス
京阪本線の三条駅から京都市営地下鉄・東西線に乗り換えて蹴上駅下車
蹴上駅から南禅寺方面へ歩き、南禅寺を越したところに野村美術館はあります。
蹴上駅から700mほどです。
まとめ
今回はリニューアルオープンした野村美術館のご紹介をしました。野村美術館の周辺には無鄰菴や古代中国の青銅器コレクションで有名な「泉屋博古館」があります。このあたり一帯はまさに美術館のようなエリア。秋は紅葉が美しい観光スポットです。