名茶室を訪ねてみよう!待庵

yamashita
2018.05.25
待庵

 

 

はじめに

今回より、現在まで受け継がれてきた国宝に指定されているお茶室や有名なお茶室をご紹介していきます。第1回目は国宝に指定されている「待庵」です。国宝に指定されているお茶室にはあと2つ、愛知県犬山市の「如庵」と京都市大徳寺の「密庵」があります。

 

 

■待庵について

 

「待庵」は日本で最古の茶室建築であり、千利休が建築したと伝えられている唯一のお茶室です。数寄屋建築の原型といわれ、切妻造りで柿葺、茶室としては珍しい地下窓を設けています。内部はわずか2畳の広さ、茶室のはしばしに利休のセンスが光っています。

 

「待庵」がある妙喜庵の寺伝によると、山崎の合戦の際に羽柴秀吉の陣中に千利休が建てた「待庵」を解体してこの地に移築したと記されています。1606年(慶長11年)の宝積寺絵図に妙喜庵が描かれており、「待庵」の場所には「かこひ」(囲い)という書き込みがあることから、この当時にすでに移築されていたのだろうと考えられます。

 

「待庵」はわずか2畳の茶室と、次の間、勝手の間を入れても四畳半ほどの広さしかありません。きわめて狭小な空間です。南東の角に躙り口を設け、躙り口の正面に床の間があります。

 

壁はあらあらしい藁が見える草案風、当時の庶民の家では当たり前だった仕上げをしない土壁がむき出しになった状態です。床は4尺幅(1尺は約30㎝)、天井高は5尺2寸(約1m60㎝)ほどで、一般的な掛け軸が飾れないほどの低い天井高です。

 

躙り口から見た茶室の左側に炉を隅切りしており、炉と畳縁の間の「小板」がありません。平天井の竿縁や垂木には竹材が使用され、障子の桟も竹です。竹が多様されているのは、当時の庶民の家を見習ったものだと考えられます。

 

 

■待庵を見学するにはどうすれば良い?

約1カ月前から往復はがきで予約をすれば「待庵」の見学が可能です。ただし、見学は躙り口から見るだけで、茶室の内部には入れません。申し込みができるのは高校生以上の方となっています。

 

「待庵」の近所にある大山崎町歴史資料館には、「待庵」の原寸大復元模型が展示されています。こちらはいつでも予約なしでご覧いただけます。

 

【「待庵」の所在地】

〒618-0071 京都府乙訓郡大山崎町大山崎小字龍光56番地

 

【交通アクセス】

東海道本線(JR京都線) 山崎駅より徒歩1分

阪急京都線 大山崎駅より徒歩3分

 

 

まとめ

今回は、名茶室をご紹介する記事の第一弾として「待庵」をご紹介しました。「待庵」は千利休のセンスがうかがえる貴重やお茶室です。ぜひ、一度訪ねて利休の空間に触れてみてください。想像以上に貴重な体験ができるはずです。

 

 

この記事を書いた人

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