ジャズライブ豆知識第二弾は「童謡もジャズ!?」です。
「一体何のこと?」「童謡のジャズアレンジは聴いたことがあるけれど」……。
タイトルをお読みになって、多少戸惑われたかと思います。
分かりやすくご説明していきますので、のんびりお付き合いください。
ライブ演奏される曲はほぼ3パターン
私たちが気軽に聴けるライブで演奏される「ジャズ」には、大まかに3パターンがあります。
1. いわゆるスタンダード曲
2. ジャズミュージシャンがジャズとして作曲したもの(スタンダードに含まれるものも多数)
3. その他(クラシック・ポップス・ロック・童謡等々)
それぞれについてご紹介します。
1. スタンダード曲
ジャズといえばこれ!とお思いの方がとても多いことでしょう。
その多くは、アメリカの古いミュージカルや映画などで使われた曲。
なので、当時はいわゆる流行歌=ポピュラー音楽でした。
これをジャズのお約束事に則って演奏し、多くのミュージシャンが取り上げ
定番になったものをスタンダードと呼びます。
有名な「Summertime」は、1935年初演「ポーギーとベス」というアメリカのオペラの曲です。
舞台第1幕冒頭で、子守歌として歌われていました。
こちらもお馴染み、ディズニー映画『白雪姫』の「いつか王子様が」
ミュージカル映画『オズの魔法使い』の「虹の彼方に」もよく演奏されています。
「いつか王子様が」 ビル・エヴァンス
2. ジャズミュージシャンがジャズとして作曲したもの
こちらはもうご説明する必要もありませんね。
ジャズの歴史が長くなるにつれ、人気がありよく演奏されるようになったものは
スタンダードという位置づけになります。
もちろん、ジャズとして作曲されたうえで映画や舞台に使われた経緯がある曲もたくさんあります。
現代日本でも多くのジャズミュージシャンがオリジナル曲を作り、ライブで演奏しています。
ハービー・ハンコックの「Driftin’」。既にスタンダードとして定着している曲です。
ライブでも頻繁に聴くことができます。
3. その他(クラシック・ポップス・ロック・童謡等々)
ジャズとして演奏しても素晴らしい曲は、元のジャンルを問わずたくさんあります。
童謡もそのひとつです。
ジャンルを超え、楽しめる曲を積極的に掘り起こし演奏するジャズミュージシャンも大勢!
ちょっと頑固なジャズファンの中には「ちょっとそれは……」という人もたまーにいます。
しかし演奏するミュージシャン、そして何より私たちリスナーが
「この演奏、気持ち良い!」と思えるならばそれでOKではないでしょうか?
そもそもスタンダード曲だって、昔の流行歌が多数だったわけですしね!
童謡「夕焼け小焼け」のジャズバージョンです。
ジャズライブは全然難しくない!
この記事を執筆する前日、筆者はあるジャズライブに行ってきました。
ギターとピアノのデュオです。
初めてお会いしたお客さんから「ジャズはCDで聴いたことはあるけれど、自分の中では
あまりピンとこなかった。でも今日はとても楽しかった!」
という感想を聞かせていただきました。
やはり、ジャズに対して小難しいイメージがあったそうです。
この日はスタンダードがメインで、ギタリストさんのオリジナルが1曲、某テレビ番組の
テーマソングが1曲という構成でした。
ひとりでも多くの方に、こんな素敵な体験をしていただきたいと願っています。
「ジャズ豆知識」は、今後も他のシリーズと共に不定期連載の予定です。
前回の豆知識記事はこちら。
ジャズ豆知識(1)~ジャズのリズム~