ジャズ豆知識第三弾は「ジャズライブは替え歌大会!?」と題してお送りします。
なんだか冗談ノリのカラオケ大会を彷彿とさせるタイトルになりました。
でも、是非ともそういった気楽な感覚でお読みいただければ幸いです。
ジャズと他の音楽ライブの大きな相違点

ポピュラーやクラシックのコンサートに求めるもの
皆さんはポップス・演歌・クラシックなどの音楽を生で聴く時、何を求めていますか?
お気に入りの歌手やグループがいらっしゃる方は、コンサートやライブに行く時の事を思い浮かべてみてください。
購入したCDや、TVやラジオから流れてきた曲を生で聴けたら……と望む事が多いのではないかと思います。
では、その演奏はどんなものであったら満足できるでしょうか?
多くの方が期待するのは「CDやTVなどで聴いたものと同じ演奏+生の臨場感」ではないかと想像します。
クラシックがお好きな方なら尚更「原曲の正確な再現」を重視するはず。
当然ながらそこに「正確な再現に基づいた、その場でしか生まれない演奏者独自の情緒や表現」は必須です。
ジャズライブが提供するもの
しかし、ジャズライブでは「CDやTVで聴いたものと同じ演奏」は、まず絶対と言ってよいほどに存在しません。
よく知っている曲においてさえ「この曲は聴いた事ないな……あれれ?」という事態もしょっちゅう起こります。
たとえそれが演奏者のオリジナル楽曲であっても!
「ジャズは難しくてよく分からない」「知っている曲なのに全然違ってつまらない」という方は
まさにこの辺りでつまずいているようです。
ショッキングな体験

実際、筆者も最初にその洗礼を受けました。
高校時代に惚れ込んだギタリストさんのオリジナル曲を聴きたくて行ったライブ。
個人的な理由で、とてもとても思い入れのある曲でした。人生を変えた1曲ともいえましょう。
曲そのものは勿論、途中のギターフレーズが大好きで、もう何千回聴いたか分からないほどです。
様々な事情があって、その方のライブには近年まで一度も行く事が出来ませんでした。
なので期待はよりいっそう、半端なく大きく膨らみます。
しかしライブでの演奏は、レコードとは全く違ったものになっていて愕然!!
その曲はフュージョンとしてリリースされたものですが、そのギタリストさんは元々ジャズの方。
途中のギターフレーズ(即興で演奏される部分)が全く違うものになっているのは、今思えば当たり前の事です。
しかし、どうしても感覚が拒否してしまいました。
それをどうやって乗り越えたかは、後ほどお話しますね。
ジャズライブは「即興替え歌大会」!

気楽でエキサイティングな替え歌大会と捉えてOK
今までの記事内で「ジャズは即興演奏が華」というお話を幾度かしてきました。
この「即興演奏」という言葉に抵抗を覚える方も多いことでしょう。
難しい音楽知識が無ければ楽しめないのではないか? と不安になる人を、筆者も大勢知っています。
でもこれを「替え歌大会」と言い換えれば、いきなり敷居が低くなりませんか?
筆者が考えた言い回しではなく、ある超ベテランジャズミュージシャンの言葉なので、間違いはありません(笑)
しかもこの替え歌大会は、元歌を知らず、知識がなくても十分楽しめるのです!
どんな趣味にも「知らないからこそ楽しめる部分」と「知っているからこそ楽しめる部分」というものがあります。
「知らない」からこそ得られる新鮮な楽しみを体感できるのは、私たちシニアにとって貴重な状況かもしれません。
違うバージョンの替え歌を聴きに行こう
ライブでは「これは有名なスタンダードの何々です」といった曲紹介をしてくれます。
しかしその場のノリでは、そういった紹介無しの時も。
「この曲素敵だな~、なんという曲だろう? でもタイトル言わなかったからなぁ」
「タイトルを言っていたけれど聴き取れなかった……」
そんな時は、休憩時間や終了後、ミュージシャンに遠慮なく訊ねてみてください。
例え超有名曲であっても恥ずかしがることはありません。
皆さんとても喜んで教えてくれますよ。
万が一「えっ、こんなのも知らないの?」というような人に当たったら
その人の演奏は二度と聴きに行かなくて良いです(笑)
タイトルが分かったら「別バージョンの替え歌はどんなのかな?」という気持ちで次のライブに行ってみましょう。
続けて同じ人のライブだったら、その曲をまた演奏してくれる可能性は結構高いです。
違う人のライブで聴けたらラッキー!
リクエストが出来る状況なら、してみるのも手ですね。
ショックを乗り越えられたのは

先にお話した筆者のショックは「それでも続けてライブ通いをした」ことで乗り越えられました。
大好きな曲以外での演奏がとても魅力的だったので、それが聴きたいという理由でしたが。
暫くの間は、その曲が演奏されるたびにとても複雑な心境でした。
しかし、毎回違うフレーズが奏でられるのを聴き続けていくうちに、その思いは変わっていきます。
現在のこのギタリストさんの魅力が、過去の思い入れを上回ったという事に尽きるでしょう。
勿論今でも当時のレコード(後にCD化されています)は、永遠の宝物です。
CDやレコードに対する考え方

ポピュラーのCD(レコード)は「最高の完成品」という形でリリースされる事が殆どだと思います。
そのために、何十テイクの中から良い部分だけを切り取り、一番良い部分だけを繋ぎ合わせるのは当たり前。
楽器も一斉に演奏せず、1つまたは少数で演奏しミキシングして合成するという形です。
完成品としての価値を考えれば、これはある意味当然の作業となります。
ジャズの場合は「その時の記録」という感じで捉えるのがほぼ正解でしょう。
ポピュラーのように「繋ぎ合わせて楽曲を作り上げる」事は滅多にありません(例外はあります)。
何テイクも録音し、その中から1つベストなものを選んで収録するというパターン。
もしくは、ライブ録音的に一発どり。
ノイズ除去やバランス調整などの作業は勿論行います。
ポピュラーのライブはCDなどの完成品を軸に、生で聴かせるのが主な目的。
ジャズのライブはそこでの演奏自体が目的で、CDなどはあくまでその時点での記録。
最初からそんな風に考えておけば、筆者のように悩むことはないかもしれません(笑)
さいごに
今回は筆者の体験も交え、ジャズライブ初心者さんが悩みそうな事について解説してみました。
これからもジャズ豆知識は不定期で連載していきますので、お楽しみに!
過去の豆知識記事はこちらです。
是非ご一読ください。

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