以前こちらで「ジャズライブに行こう!」というシリーズ記事をお届けしましたが、お役に立ちましたでしょうか?
今回は、筆者が実際に演奏を聴き「この人はお勧め!」と太鼓判を押す「関西出身のジャズギタリスト2人」をご紹介します。
お二人とも現在東京を中心に活動されていますが、関西方面でのライブも行っています。
「21年に渡るNYでの活動から凱旋帰国」井上智
井上智(いのうえ さとし)プロフィール
1956年11月、神戸出身。
1989年にニューヨークに渡り、リーダーやサイドマンとしてジャズ・シーンで活躍。ジュニア・マンス、フランク・フォスター、バリー・ハリス、ジミー・ヒース、ジェイムス・ムーディー、ロン・カーター、 穐吉敏子、スライド・ハンプトン、ベニー・グリーン等多くのトップ・ミュージシャンとのツアーを経験。ジャズクラブの老舗ヴィレッジ・ヴァンガードの70周年記念にはジム・ホールと井上のデュオが出演。リーダー・アルバムはポニーキャニオンやホワッツ・ニューより8枚を発表。演奏活動の傍ら、1994年から16年間ニュースクール大学ジャズ科で「スタンダード・アンサンブル」や「理論と実技」の講師を務めた。2010年4月に21年のニューヨーク滞在にピリオドを打ち帰国。現在は東京を拠点に国内外で活動中。慶應大学GICプログラム及び 国立音楽大学ジャズ専修で講師を務める。
演奏
プロフィールをご覧いただければわかるように、海外でも日本でも評価の高い一流ギタリストです。明るく快活な「熱」と抒情性に富んだプレイ。その中に織り込まれるちょっとお茶目なフレーズや、ドキッとするような奏法はまさに職人技といえましょう。落ち込んでいる時に聴いても思わず笑顔になってしまうような懐の深い演奏は、「ジャズは全然分からないのだけど……」という方でもリラックスして楽しめると思います。「心地良い熱」を感じて、心の底から気持ち良くポカポカになってくださいね。
ライブ動画
I’ve Never Been In Love Before
2018/5/19「くじ引きジャズギター」荻窪 Rooster
井上智(g),松尾由堂(g)
以前この「くじ引きジャズギター」での他の方の動画をご紹介していますが、井上さんもこれに出演されていました。
そちらでも説明しましたように、これは普通のライブと違う、ちょっと変わった企画。
5人の錚々たるジャズギタリストが総当たりでデュオ演奏をし、曲はその場でお客さんがくじ引きをして決めます。譜面もなく、当然リハーサルも何もない状態でいきなり弾くという、なかなかシビアなものでした。でもジャズミュージシャンはこれが出来ちゃうのですから凄いですよね。筆者はこの現場におりました。
向かって左側が井上さん、右側は福岡出身の松尾由堂さん。松尾さんも素晴らしいギタリストですよ。
最初は松尾さんがリードを取り、井上さんはバッキング。その後役割が入れ替わり、また入れ替わって別の展開を……という具合になっています。
こうして聴くと、個性の違いがはっきり分かりますね。
この時の井上さんのリードには、ジャズの曲をある程度知っている人なら「お~!」となることがたくさんありました。ジャズ演奏の華であるアドリブ内で他の曲のフレーズを取り入れるということがよくあり、今回はそれがいっぱい!
その中でも特に分かりやすく、かつ「えっここでこの曲を!」と筆者が驚愕したのは、5:34から数秒の部分でした。
Satoshi Inoue 公式サイト
ライブスケジュールはご本人の Facebookで見る方が確実です。
井上智さんの Facebook
「ギターは顔で弾く!」原田上総
原田上総(はらだ かずさ)プロフィール
1990年10月16日大阪市住吉区出身。
中学卒業と同時にギターを手にし、ギターの練習とバンド活動に明け暮れる青春時代を過ごす。
それまでロック一筋だったが、20歳の時ブルーズに強く惹かれ、ブルースギタリストまつだゆうき氏にローディーとして師事。
22歳より上京しジャズギターを井上博氏、佐々木慧氏、田口悌二氏から学びぶ、2017年~現在は橋本信二氏に師事。
25歳よりプロとしての活動を開始。ブルージーな歌心とエモーショナルでファンキーな演奏に定評があり、現在都内ジャズクラブ、バーを中心に自身のトリオ、シンガーとのデュオ、師弟でのギターデュオなどで精力的に活動中。またギター講師としての顔も持つ。
2017年Gibson Jazz Guitar Contest ファイナリスト。2018年3月シンガー大久保知佳とのデュオユニット Chikazz のCDを発売。
引用:ギターは顔で弾く! ギタリスト原田上総のWeb site
演奏
元気溌剌・若さはじける・アツい!というイメージが強い原田さん。最近はかなり繊細な部分が前面に出て来たように感じます。
今年28歳という若さもあってまだまだ進化の途中ですが、既に人を引き付けてやまない魅力がたっぷり。同世代のミュージシャンのみならず数多くの大ベテランとの共演が多いことも特徴です。その経験を真に自分のものとし、熟成した表現者になるのはそう遠い先のことではないでしょう。今後がとても楽しみです。
「ギターは顔で弾く!」というキャッチフレーズは、彼のサイトのタイトルにもなっています。
この意味は、是非生のライブでご確認ください!
ライブ動画
スーパーカブに乗って(オリジナル曲)
原田上総(g),金澤力哉(b),西川彩織(ds)
原田さん自作のオリジナル曲です。スピード感あふれる演奏ですね。この演奏動画はちょっとおすましな感じですが、実際にライブで聴くと、うんとはじける感じが楽しめます。
喜怒哀楽読者の皆さんへメッセージ
原田さんからメッセージがありますのでご紹介します!
「大阪出身27歳、原田上総です。まだまだ未熟者ですがどうぞよろしくお願いします」
ご本人、非常に照れながらのメッセージでした(笑)
ギターは顔で弾く! ギタリスト原田上総のWeb site
原田上総さんのFacebook
まとめ
いかがでしたか?
井上智さん、原田上総さんの魅力が少しでもお伝えできたなら幸いです。
なお、今後も日本のジャズミュージシャン特集記事を予定しています。
テーマや楽器ごとにたくさんのミュージシャンをご紹介していきますので、お楽しみに!
「日本のジャズミュージシャン(1)~関西出身ギタリスト~」への1件のフィードバック
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