暑い日が続きますね。皆さん、熱中症対策はしっかりとなさっていますか?
夏といえば、若い頃は心弾む季節だった方も多いかと思います。
しかし、シニアにとってはなかなか辛いものが……。
そんな時は、体だけでなく心にもケアが必要ですね。
素敵な音楽は心を潤し沁み渡り、あなたの疲れを癒すことでしょう。
今回は「夏に聴きたいジャズ」3曲+アルバム1枚をご紹介します。
Garota de Ipanema (イパネマの娘)
きっと誰もが聴いたことのある、超有名なボサノヴァの名曲からお届けします。
夏といえばボサノヴァ! 実際に夏のジャズライブでは、ボサノヴァの演奏がぐんと増えるのです。
このライブは11月のものですが……。
直居隆雄(g), 柳澤伸之(g, vo), 山村隆一(b), 八木秀樹(ds)
2017年11月 鎌倉:Daphne
ボサノヴァの名手・柳澤伸之さんのアコースティックギターとボーカルが、なんとも色っぽいですね。
女性ボーカルで聴くことが多いこの曲を、渋い大人の男性が歌うのも素敵です。
直居隆雄さんは、一般にはあまりお馴染みがない「エレガットギター」を演奏していらっしゃいます。
エレキギターベースの本体にナイロン弦を張ったギターで、普通のエレキギターのスチール弦よりも柔和な音色になります。
落ち着きがありつつも艶やかな女性の姿を彷彿とさせるような演奏に、心からうっとり。
Stella By Starlight (星影のステラ)
この曲の歌詞には「夏」ではなく「春」が入っています。
それなのになぜ選んだのかは、お聴きいただいた後に解説しましょう。
井上智(g),中根賢隆(g)
2018年5月19日 荻窪:Rooster 「くじ引きジャズギター」
筆者はこのライブを生で聴いています。
まだ5月だというのに酷く蒸し暑い夜だったのもあり、ボサノヴァ風に夏っぽく演奏されたのがとても印象に残りました。
画面向かって左の井上智さんの演奏では、華やかさ・繊細さ・大胆さが絶妙な絡みをみせていますね。
思わずニヤッとしてしまうようなフレーズもあちらこちらに。
右側の中根賢隆さんは、前出の直居隆雄さんのお弟子さん。
ソリッドギターから流れる、誠実さと人間味あふれる彼の演奏は、聴く者の心を優しくほぐしてくれます。
これを夏のお勧めに選んだ理由はもうひとつ。
日本では1946年に公開された『The Uninvited(邦題:呪いの家)』というアメリカ映画があるのをご存知でしょうか。
タイトルからお分かりいただけるようにホラー映画で、その中で流れるのがこの曲なのです。
海を臨む断崖絶壁に建つ家で展開する、白黒画面のホラー話……夏の夜に観るにはなかなか良いでしょう?(笑)
映画公開当時は違う曲名でしたが、登場人物の Stella という女性の名前から、後にこのタイトルが付けられたのだそうです。
DVDが出ていますので、興味のある方はご覧になってみてください。
St. Thomas (セント・トーマス)
最初の「イパネマの娘」同様、この曲をご存知の方はたくさんいらっしゃることでしょう。
今回はちょっと珍しいバージョンをどうぞ。
1996年のTV番組『巨泉のジャズスタジオ』からの映像です。最初の方で大橋巨泉さんが少し解説をなさっています。
Sonny Rollins(ts),増尾好秋(g),David Lee(ds),Walter Davis(pf),Bob Cranshaw(b)
1973年 オランダ:Laren Jazz Festival
世界的サックス奏者・Sonny Rollins のライブです。
明るく快活なサックスの音色とフレーズは、真夏の突き抜けた青空に響き渡るよう。
バックでギターを弾いているのは、20代前半で Rollins のバンドに抜擢された増尾好秋さんです。
この映像当時の増尾さんは26~7歳でした。
堀秀彰 N:Lab
夏の夜に聴くと特にいい感じのアルバム PV をご紹介します。
堀秀彰(pf),石川広行(tp),西口明宏(ts),高瀬裕(b),長谷川ガク(ds)
中堅世代のピアニストで、筆者が「ジャズピアノの貴公子のひとり」と呼んでいる堀秀彰さん。
彼が率いる N:Lab のアルバムは、深夜の海沿いや高速道路を走る際にうってつけです。
クールでアツいナンバーの数々をご堪能ください。
あなたのお気に入りの夏ジャズ曲は?
今回は皆様ご存じの Summertime や Summer Night など、夏を冠した曲はあえて選ばず、少しひねってご紹介しました。
3曲とも、たくさんのミュージシャンによる様々なアレンジで演奏されていますので、是非検索して聴き比べてみてください。
N:Lab のアルバムは Amazon やライブ会場で購入できます。
あなたのお気に入りの曲とともに、この夏を元気に乗り切ってくださいね。