世界中がコロナ禍にみまわれており、ほとんどのかたが限られた環境下で窮屈なおもいをしておられることでしょう。また、そのために多くの業態で厳しい経営が強いられています。この状況下において世界の美術館はどうなっているのだろうか?という疑問がわいたので調べてみました。美術館や博物館の多くでバーチャルギャラリーという新しい展示の試みがおこなわれているようなので紹介します。
美術館が試みるバーチャルギャラリー
世界的な美術館が試みているバーチャルギャラリーを紹介していきます。部屋にいたまま名画の鑑賞ができるのでぜひお試しください。
ルーヴル美術館
ルーヴル美術館のバーチャルギャラリーでは、館内をめぐって360度見わたすことができるオンラインビューイングをはじめ、古代エジプトなどのテーマで美術館内をめぐり、作品を間近で鑑賞することができるバーチャルツアーをおこなっています。
いつもは長い行列ができている人気のある作品も、ならばずにすぐ鑑賞することが可能です。
【ルーヴル美術館のバーチャルギャラリー】
https://www.youvisit.com/tour/louvremuseum
メトロポリタン美術館
膨大なコレクションを誇るアメリカのメトロポリタン美術館でもバーチャルギャラリーを開催しています。レンブラントやゴッホ、ゴーギャンといった巨匠の名画を間近で鑑賞することが可能です。
メトロポリタン美術館のバーチャルギャラリーでは、没入型のバーチャルアートが体験できる「The Met Unframed」などもリリースしており、一歩踏み込んだバーチャルリアリティーの世界が堪能できます。観客は4Gまたは5Gのスマートフォンを使って、より現実に近いバーチャルアートが体験可能。
【メトロポリタン美術館のバーチャルギャラリー】
https://www.metmuseum.org/art/online-features/met-360-project
故宮博物院
古代中国から明、清時代まで、中国4000年の歴史的文化財を収蔵しているのが国立故宮博物院です。展示ケース内の主要な作品にはインフォメーションマークがつけられていて、音声やテキスト、キュレーターによる解説動画などで、詳しく理解することができます。
【故宮博物院のバーチャルギャラリー】
http://tech2.npm.edu.tw/720vr/enHome.html
コートールド美術館
ロンドン大学のコートールド美術研究所といえば、美術史における世界的な権威として有名です。このコートールド美術研究所に付属するのがコートールド美術館で、所蔵する印象派の名画などをバーチャルギャラリーで鑑賞できます。
【コートールド美術館のバーチャルギャラリー】
https://courtauld.ac.uk/gallery/about/3d-gallery-virtual-tour
バーチャルギャラリーをどう鑑賞する?
では実際にバーチャルギャラリーをどう鑑賞すればよいのか?故宮博物院のバーチャルギャラリーをみながら紹介していきます。故宮博物院のバーチャルギャラリーは、ストリートビュー方式でアート作品を鑑賞できるようになっています。
館内をめぐり、見たい作品の前でとまり、インフォメーションのマークをクリックすると詳しい作品解説がポップアップされます。作品によっては、キュレーターが動画で解説してくれるものもあるようです。
実際の作品を目の前にしたときの迫力や、本物を目にしたときのオーラのようなものは感じることができませんが、パソコンや携帯端末の前にいたまま美術館や博物館のなかを自在に移動し、作品が鑑賞できるというのは大きな魅力といえるでしょう。
まとめ
世界的な美術館が試みているバーチャルギャラリーについて紹介しました。バーチャルギャラリーという新しい試みは今後どこまで進化するのか、これからも注目していきたいと思います。とはいえ、その土地にある美術館の収蔵作品はひとつの観光資源であり、観客を集めることで、周辺の飲食店や宿泊施設、売店や交通機関などが潤ってきました。多くの美術館でスタッフの解雇が相次いでおり、閉鎖が危ぶまれている施設も少なくありません。コロナ禍が早く収束することを切に願っています。