現代競馬の偉大なる母【ウインドインハーヘア】に会いに行こう!

馬の耳に小林
馬の耳に小林
2024.07.08

ディープインパクト、ブラックタイド、キタサンブラック、ジェンティルドンナ、コントレイル、グランアレグリア…競馬好きなら誰でも知っているような名前がずらりと並びますが、ひとつある共通点が何かお分かりでしょうか。

今回は、現代の日本競馬の盛り上げの立役者(馬)「ウインドインハーヘア」に迫ります!

 

「ウインドインハーヘア」はどんな馬?

ウインドインハーヘアという名前を聞いても、ピンとこない方もいらっしゃるかもしれません。では、ディープインパクトやキタサンブラックはご存じでしょうか。

実は、ウインドインハーヘアは、ディープインパクトのお母さんでもあり、キタサンブラックのおばあちゃんです。先に登場したジェンティルドンナやコントレイルなどの名馬たちは、すべてウインドインハーヘアの血を継いでいます。

現代競馬を盛り上げているレガレイラやステレンボッシュなども、ウインドインハーヘアの直系子孫なんですよ!日本の現代競馬の偉大な母と言っても過言ではありません。

 

日本競馬の偉大な母になるまで

ウインドインハーヘアは1991年2月にアイルランドで生まれ、2歳~4歳の間、アイルランドやイギリス、ドイツの競馬場で競走馬として活躍しました。

ディープインパクトのお母さんと聞けば華々しい勝歴があるように思われがちですが、戦歴としては一歩届かずというレースが多く、2歳時は未勝利に終わっています。

3歳になると最後方からまくる競馬で勝利をおさめ、目を引く走りをして人気馬の仲間入りを果たします。とは言え、やはりG1は勝ち切れず、3歳時も6戦2勝という結果に。

4歳時には繁殖入りしますが、そのまま現役を続行。妊娠したままドイツに遠征、ドイツのG1でもあるアラルポカルに出走し見事勝利をおさめます! 妊娠したままG1勝ちというユニークな戦歴を残しているのも、強い母に繋がるような気がしませんか?

 

現役を引退してからは、アイルランドのクールモアスタッドで繁殖牝馬となりましたが、産駒の成績が振るわずクールモアスタッドが売却を決め、日本のノーザンファームの所有馬となりました。

その後の繁殖牝馬としての歴史はとても華々しく、スプリングステークスを勝ち、のちにキタサンブラックを輩出するブラックタイドや、JRAの無敗のクラシック三冠馬(G17勝)のディープインパクトの母になるのです。その後、2012年まで繁殖牝馬として大活躍してくれました。

 

ウインドインハーヘアに会いに行こう!

では現在、ウインドインハーヘアがどうしているかというと、繁殖牝馬を引退したあと、ノーザンホースパークへ移動し展示馬として多くのファンを魅了し続けています。

ノーザンホースパークは「馬と大地と人との絆」をテーマにした社台グループの体験型公園・テーマパーク。

引退競走馬の繋養の様子の見学や社台グループ&ノーザンファームで生産・育成された馬のゆかりの品の展示見学、乗馬体験やポニーショーを楽しんだりできます。

広大な敷地のなかのひとつの建物「きゅう舎1」にウインドインハーヘアがいました。

見学に訪問した日は、風が強く気温もやや低め。ウインドインハーヘアは、Rambo社製の馬着フライプロテクターを着ていましたよ。

馬房の前には、ウインドインハーヘアのお名前のほか、彼女の紹介が記載されています。頭絡と一緒に、ファンから送られてくるお守りなども掛けられていました。

しばらく見学していると厩務員さんが来て、ウインドインハーヘアの馬着を脱がせて軽くお手入れを。

33歳(2024年7月現在)という高齢馬らしい腰の沈みはあるものの、毛艶も悪くなく、とても大切にされているのが垣間見えます。厩務員さんにお話しを伺うと、とても優しく穏やかな性格で、面倒見が良いのだとか。

理想の母親像という感じですよね。

若い馬ではないため、激しく動き回るということはないのですが、馬房から顔を出し、かわいいファンサービスをしてくれました。外の風がとても気持ちよさそうでしたよ。

天気が良いときは、外でのんびり過ごす様子が見学できることもあります。

ウインドインハーヘアがいなければ、現代の日本競馬の様子や盛り上がりが異なっているであろうことは、容易に想像ができます。

偉大なる日本競馬のお母さん、今日も私たちを楽しませてくれてありがとう。

いつまでも元気に長生きしてほしいものです。

 

 

ノーザンホースパーク

住所:北海道苫小牧市美沢114-7
アクセス:新千歳空港から無料シャトルバス約15分
TEL:0144-58-2116
営業時間:(4/15~11/5)09:00~17:00、(11/6~04/9)10:00~16:00
休園日:4/10~4/14
入園料
(4/15~11/5)大人(中学生以上):¥800、小学生以上:¥400、小学生未満 無料
(11/6~4/9)大人(中学生以上):¥500、小学生以上: ¥200、小学生未満 無料

 

※文中の写真はすべて筆者の撮影によるものです

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